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◆『もてなし上手』~ホスピタリティによる創客~ 第56回:平成27年9月1日掲載 |
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素の姿も見られています~「あの方だったらいいのに」~ |
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7年前の感動光景です。それまで、大阪や東京でJRの出張切符を買う機会は数多くありました。何の疑問もなく、毎日の出張切符を求めていたのですが、7年前のJR博多駅で、その当たり前の風景が大きく変わったのです。 混み合う「みどりの窓口」で、いつものようにJR切符を買うため並んでいると、大阪や東京などで見ている窓口の風景との違いに気付きました。驚いたのは接客が終わったあと、次のお客様を呼ぶときに「みどりの窓口」のスタッフが立ってお客様を迎えていたのです。 それは、今までただの一度も出逢ったことのない光景でした。窓口係は、行き先の切符を端末機で取り、発券しなければなりません。発券する機械は、低い位置にあるために座って操作をする。だから、ずっと座りっ放しというのがそれまでの当たり前の光景だったのです。 ところが、JR博多駅では切符の発券が終わると、立ち上がってお客様に切符の説明をして、立ったままで次のお客様を迎えるという仕事の流れが、ごく自然なかたちで行われていることに感動を覚えたのです。 |
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それ以来、「おもてなし行動」の一例として講演、研修などで話をし、JR各社の研修でもその事例を伝え続けて来ました。それから数年経ち、私の出張エリアの東京・浜松町駅や広島駅でもその光景を見かけるようになりましたが、それ以外では、見かけることはありませんでした。 しかし最近、JR新大阪のみどりの窓口でその光景に出逢ったのです。 7人のスタッフ全員が立ち上がってお客様をお迎えしていました。ていたのです。喜んで順番を待っていると、次の目標が見えて来ました。 それは、立ってお客様を迎えるスタッフを見て私が考えていたのは、ごくごく自然に、「あのスタッフに当たったらいいのになぁ~」との思いです。1人のスタッフを注目しました。他のスタッフと違い、立って迎えるだけじゃなく、お客様と会話する時に見せる「笑顔」でした。 当たり前のことですが、輝くような「笑顔」の素晴らしさに力を感じたのです。立ってお客様を迎えたら良いのではないのです。誰から買っても切符は料金も同じです。でも、「さぁ!これから出張に行こう」、あるいは「帰ろう」というとき、切符と一緒に「元気」をもらえる。「あの方だったらいいのになぁ~」と、知らず知らずのうちに持った想いこそが、「おもてなし」を受けたものが抱く感情なのではないでしょうか。 お客様と向き合うときだけではなく、作業をしている素の姿も、常にお客様から見られていることを忘れてはいけません。 |
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◆『もてなし上手』~ホスピタリティによる創客~ 第57回:平成27年10月1日掲載 |
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「つながり」を創るおもてなし経営~おもてなしのバトンリレー~ |
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それは、とても充実した素敵な滞在となりました。先日、初めて宿泊したホテルでのことです。スタッフの笑顔に迎えられチェックインし、心地いい会話をしながら客室へ。荷物を置いて館内で食事をしようと、レストランに向かっていると声を掛けられました。レストランの場所を聞くと、予約の有無を尋ねられ、「していない」と応えると、「混んでいたらご迷惑をお掛けしますので、ラウンジ(宿泊者用の無料)で少しお休みになってお待ちください。空席確認してご予約させていただきます」と直ぐに対応してくれました。 食事も大変美味しく、また心地好い食事時間でした。食後に館内を歩いていると「お手伝いできることはありますか」と声を掛けてくれます。チェックアウトのときも「御予約のタクシーが到着するまで、ラウンジでお休み下さい」と声を掛けてくれました。タクシーが到着すると、スタッフが先にカバンを運んで、タクシーの前で待っていました。 |
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「お荷物はトランクに入れてよろしいですか」。いつも1人でタクシーに乗るときに、客席内に荷物を入れることを知っているような完璧な対応です。そして、乗ったタクシードライバーには「○○まででよろしいですね」と行く先まで伝わっていました。さらに、タクシードライバーの一言にも驚きました。「傘のお忘れはないですか」。降りるときに掛けられたのではありません。乗るときに降っていた雨が上がり、忘れがちな傘を気遣っての一言です。 おもてなし力のあるホテルは、素晴らしいタクシー会社とのお付き合いがある。私がクライアント企業と目指す「おもてなし」のバトンリレーです。館内だけではなく、その後まで、できる限りの気配りをすることこそが大切なお客様を守ることになる。正にその事例でした。このホテルでの何人ものスタッフの行動が、感動的な時間を私に提供してくれました。「また来たい」という想いを持たせてくれる素晴らしい対応の数々でした。 しかし、ぞの素晴らしい行動を取ってくれたスタッフの誰一人として、私の名前を知らないのです。お礼状を書くこともできません。 折角素晴らしいサービスが提供されたにも関わらず、そのスタッフとつながることができなかったのです。お客様とのつながりこそが、「○○さんに逢いに行こう」という次の利用の「きっかけ」を生み出す。 逆の言い方をすれば、この「きっかけ」を創らずに終わる接客を繰り返しているから、次の来館もお客様任せの偶然に頼らなければならないのです。名刺は次の利用を必然に変える「つながり」を創る大切な営業ツールなのです。 |
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